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為替の変動要因

為替相場の方向性をつかみ取る

 

貿易収支、金利、市場などが為替の変動要因

「為替相場はしばしば市場の総意とは逆の方向に動く」

 外国為替市場関係者の9割以上の人が同じ相場観を持っている時に限って、相場はえてして、予想とは逆の方向に動くという意味の言葉です。円相場が1ドル80 円をつけた95年4月新聞や雑誌の紙面は「1ドル60円時代到来」という活字が躍っていました。外為市場関係者の間でも「もう二度と1ドル100円には戻らないだろう」という意見が大勢を占めていました。しかし円相場はすぐにピークを打ち、市場の総意とは逆に円安に進みました。その後、1ドル140円台まで円安が進んだ98年には外為市場では一段の円安を予想する声が主流でしたが、相場は円高に振れました。為替相場を決めるのも、基本的には需給です。売りと買いがあって初めて価格が成立するわけです。では、外為市場関係者はどういう理由で売り買いをしているのでしょうか。需給の背景を探れば、為替の変動要因も見えてきます。外為市場には輸出業者のようにドルを売らなければならない人と輸入業者のようにドルを買わなければならない人がいます。日本の貿易収支は黒字基調が続いているので、貿易面の需給はドル余剰です。つまり貿易黒字は円高要因です。

しかし、外為法改正によって外貨決済が自由化されたため為替相場の影響力は以前より小さくなっています。金利も為替の変動要因になります。ただし低金利の通貨から高金利の通貨へお金が本格的に流れるのは、高金利の国の通貨がこれ以上下がらないという認識が生まれた後です。個人の金融資産がドルにシフトすると当然円安要因になります。また、外国資本の動きも無視できません。株高の国には外国から資本が流入しやすいので、為替の変動要因になります。

マーケットでは、資本取引の主役は国内の機関投資家や外国人投資家です。世界のどこかで戦争や紛争が起こった場合には、有事のドル買いといってドルが買われることがあります

中央銀行の介入など、政治的な要因も

 また、政治的な要因も見逃せません。G7,G8といった国際協調体制が確立されて以来、為替相場は政治的な発言に左右されるケースが多くなっています。「最近の円高はちょっといきすぎ」といった、政府関係者の発言などです。

市場に政府機関が参入し、相場に影響をあたえることもあります。日銀などの中央銀行が為替市場に参加することを介入といいます。また同様に各国の中央銀行が協調し介入し、為替相場をターゲットゾーンに誘導しようとする協調介入というものがあります。協調介入は成功するとは限りませんが、相場の流れと同じ方向で介入(たとえは円安が進んでいるときに円売りドル買い介入)すると高い確立で成功します。介入は協調介入のほかに、一つの中央銀行が介入を行う単独介入、海外市場で海外の中央銀行に介入を依頼する委託介入があります。銀行は外国為替市場で積極的に為替差益を狙ったディーリング売買を行っているため為替レートを形成する主役といえます。商業取引(実需)の裏付けのない為替取引のことを、投機といいます。為替市場に投機筋といわれる人が参加し、しばしば相場の錯乱要因となることがあります。

一般に投機筋と呼ばれるのは、市場の総意が形成されているようなときに相場に参加し、総意とは逆の取引をすることで大きな利益を狙う人のことです。外国為替市場は、こうした市場参加者たちの売買によって変動しています。

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