円とドルの間にある適正レートとは
為替の適正水準を知り、為替見通しを立てる
株価に業績などから見た妥当株価があるように、為替相場にも適正レートがあるといわれています。為替レートの適正水準を割り出すヒントになるのが、両国間の物価です。アメリカで1ドルで買えるものが日本では120円だったとすれば、適正レートは1ドル120円です。
これを購買力平価といい、為替の適正水準を探る主な尺度になります。購買力平価からみた為替レートの適正水準を知っておけば、今後の為替見通し立てやすくなります。
購買力平価は1つではなく、どの製品価格、どの物価指数を用いるかによって購買力平価からみた為替レートは異なります。
- 日米の卸売物価指数で比較
購買力平価は1ドル約140円になります。これは単純に日米の物価水準を比べたものですから1ドル=120円台の為替レートから見れば、円高が進みすぎているのか、あるいは、日本の物価が高すぎるのかのどちらかになります。 - 日本の輸出価格指数で比較
これは第三国における日本の輸出競争力を表していますが、購買力平価は1ドル=120円になり最近までの為替レートにかなり近い数字といえます。 - アメリカの卸売物価指数と日本の輸出価格指数で比較
これは、アメリカ市場における日本とアメリカの製品の価格競争力を表しています。購買力平価は1ドル=約95円です。いずれかの購買力平価も、常に一定ではなく、その時々の経済情勢などに応じて変動しています。過去の為替相場は、日米の卸売物価指数、日米の輸出価格指数、アメリカの卸売物価指数と日本の輸出価格指数、この3つの購買力平価の範囲にほぼ収まっています。
当面、為替相場はこの範囲内で動く可能性が高いということです。ただし、消費者物価指数、農産物などで見ると1ドル170円、200円超といった購買力平価も存在しています。